内田康夫「パソコン探偵の名推理」

一体この小説は誰が主人公なんだって言いたくなるくらいユニークだ。

ここに一人の男と一台のパソコンがある。男の名は鴨田英作、探偵事務所を開いている。そしてパソコンには名前もしっかり付いている。その名はゼニガタ。

パソコン、パソコンといってもあなどるなかれ。ただのパソコンじゃない。東大ロボット高下区研究所のホープ・糸川、シャープの若き頭脳といわれる安田、ソニーの音声力学の天才江崎、警察庁科学捜査研究所の本多などなどがよってたかって、おもしろ半分に作り上げたオバケパソコンなのだ。

彼ら天才集団と女性に弱い凡人鴨田は、名門高校の同級生で、この学校になぜ凡人いや、学園開校以来の劣等生が知り合ったかというとハテナクラブがきっかけなのだ。このゼニガタは最高の頭脳で、探偵事務所に依頼される事件を鴨田とけんかしながら、解決をしていく。

また学園時代のアイドル藤岡由美が事件に巻き込まれ、やがて、鴨田に誘われ、この探偵事務所に入社をするわけだが、なんとこのゼニガタがこともあろうに彼女に恋をしてしまう。

さて、この一人と一台は今度はどんな事件を解決してくれるだろうか。楽しみな作品である。

(文/ののこ)

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