内田康夫「歌わない笛」

浅見光彦シリーズの一つ。今回は音楽大学にかかわる殺人事件だ。目次の各章が歌の題名になっている。たとえば第1章がわたしの城下町、第2章は還らざる河という具合だ。

ヴァイオリニスト本沢千恵子は津山にある音大からコンサートの依頼を受けた。そこから事件が次々と起こるのある。

倉敷市の山林で女性の服毒死体が発見される。それもフルートを手にしたままの。その5日後、この女性の婚約者が溺死体で発見され、警察では心中事件と結論づけられた。二人ともこの音大にかかわっている。

しかし、女性のフルートの持ち方に疑問を覚えた千恵子は、これって、殺人じゃないかと思い、以前世話になった、旧知の浅見光彦に事件の解明を依頼する。そこには音大の移転が絡んだ思惑が静かに進行していたのだ。

さあ、貴方もこの恐ろしく、そしてもの悲しい調べにのって光彦と共に事件を解決しようじゃない。

(文/ののこ)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です