森村誠一「タクシー」

この小説は一人のタクシー運転手の奇妙な出来事が書かれている。タクシーの運転手と客は一期一会の出会いであると書かれている。

乗降する客に2度と会う確率は極めて低い。タクシーには個性はいらない。客もタクシーも互いに人生の破片をわずかに残すだけでもいいし、残さ なくてもよい。そのような考えの主人公蛭間のタクシーに一人の女性が乗り込む。彼女は刺されていた。蛭間に行き先をつげ、そのまま絶命する。そこから彼 の不思議な物語が始まる。

女性の死体をタクシーで運ぶ途中、一人の盲目の少女と出会う。彼女の母は亡くなり、少女を母の実家の祖父母のもとへ届けることになる。不思議なことに幽霊が常にタクシーに乗り合わせ、彼らを追う悪者の手から守っている。たとえ幽霊でもタクシーを利用すれば客であり、目的地まで届けるのが仕事でそれを果たそうとする、彼を幽霊たちは静かに見守っている。

この最初に死んだ女性は誰になぜ殺されたか・・無事少女を祖父母の元へ届けられるか。そして、警察は死んだ女性を殺した犯人を無事に見つけだすことが出来 るのか。

(文/ののこ)

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