群ようこ「都立桃耳高校─神様おねがい!篇」

ちょっとユニークで太めな少女タヤマシゲミが主人公のこの小説。中学3年の時から高校受験、そして高校生活をシゲミの目を通して友達や先生とのふれあいが書かれいる。

時代はまさに私と重なる1970年よど号ハイジャック事件が起きたころである。グループサウンズ、ビートルズ、パックインミュージックなどなど私たちの世代には懐かしい名前がたくさん出てくる。私自身のシゲミのようにラジオの深夜番組、グループサウンズなどなど夢中になって聴いたものだ。思わずあの頃の自分と重ね合わせてしまった。

この「神様おねがい」は、あこがれの男の子のそばに席替えさせて、 そういう切ない願い、好きな男の子に告白したい。その当時の純情な女の子の気持ちがさらっとした文章で書かれている。もちろんお腹をかかえて笑えるシーンもあるけれど。

あの頃に自分が戻れたら、もう1回青春をやり直したい。懐かしい友人と会いたいし、好きだった男の子に今度こそ告白できたら・・考えたらきりがない。

(文/ののこ)

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