今、私たちの周りにはオンラインが発展してきている。この話は一本の線で結ばれ、深夜における若者達のパソコン通信にはまる、仮想と現実の間の様子が書かれている。
主人公小田切薫が、ネットの世界、とくにチャットでの会話を主体に、事件に巻き込まれていく。この本の書き出しは、今時の女子高校生が刺されて大けがをした男性を発見するところから始まる。
この事件は、現実にも起こりうる物語だと思う。ネット好きのあなたも一度、読んでみてはいかがだろうか。身分、年齢、性別、名前どれも本当かどうか分らない、そんな中で繰り広げられる会話。友情、嫉妬が、この話に中で渦巻き絡み合っている。
現実逃避が多いこの世の中で、文字による会話。その文字によって、つながりを持とうとする、若者達。考えさせられる物語であると思う。ホラーに匹敵するくらい怖い小説であると考える。
(文/ののこ)