宗田理「ぼくらの失格教師」

ぼくらシリーズが始まったのはいったいいつの頃だろう。

宮沢りえが出た映画にもなった「ぼくらの7日間戦争」が1985年に登場してからもう、18年にもなる。私はふとした機会から、この本を読み出したら、意外と面白く夢中になったものだった。

中学1年生が厳しい校則や親からのお小言に反抗して、廃工場に11人が立てこもり、おとな達に宣戦布告をする。そこで子供達は協力することを知り、最後に勝利をあげるというものだけど、あれからおとなになった11人。それでも仲間を大切に、子供の心を大切にするというのか、変わらないものらしい。

さて今回の話だが、悪魔教師と噂される菊地英治が主人公である。以前テレビのレポーターだった矢場が公立の中学の民間の校長に選ばれた。民間からの採用に教師達は次々とサボタージュをし、教頭達の思惑。そこで、英治が教師として校長の申し出により、派遣されてくる。いじめ、不良、荒れたこの中学で持ち前の型破りな行動力にいつしか、 生徒も引き込まれ、校長を助け、学校を再建へと導いてくる。

実際にあった、教育の問題を随所に織り込んだこの小説、子供ばかりで なく、おとなも読んでみたら、意外と子供の心が分かるのではないだろうか。

(文/ののこ)

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