この中に5人の重要な登場者が出てくる。突然勤めるコンパクト社を解雇された結城、会計士補の相田恵、刑事部捜査二課長婦警を妻にした団藤、捜査一課の大政こと大久保、警務部人事二課職員の小政こと小寺。
さて、中途採用調査官とは普通の社会人を警視庁では特別に若干名採用する特別捜査官の事である。実際にその募集は行われている。その内訳をみると「コンピューター犯罪捜査官」「財務捜査官」「科学捜査官」「国際犯罪捜査官」があげられている。その道のエキスパートを募集採用し、複雑に入り乱れた現代社会の事件を捜査するためらしい。
会社を解雇されたSEの結城、会計士補の恵はその制度を利用し選抜され訓練をうけ、刑事となった。結城は自分が解雇された元会社の不正やサイバートリックを暴くために仲間たちと立ち上がる。知能犯を追いつめていく。
デジタル派の結城と恵、アナログ派の大久保と小寺。この二組の対照的なペアが上手く絡み合っていく。軽妙なタッチで書かれた一品であると思う。
(文/ののこ)