何処にでもいるふつうの主婦が、ある日突然「介護」をすることになる。一人暮らしの義母との同居、その義母はやがて痴呆と診断される。
ここには、その義母の同居から、痴呆の診断、リハビリ、そしてリハビリを通して、始めた絵画がみごと賞をとり、個展を開くまでの3年間を日記を織り交ぜながら書かれている。「介護」に対する戸惑い、問題、心の動きがこの本を通してよく分かる。
義母の名は「マサ子」、夫の名は三男で行男、そして筆者もと子、長女あゆみ、長男祐介。家族が一丸となって義母を守り、またリハビリを通 して、医者やヘルパーさんたちとの心のつきあいが書かれている。
人はいつこのマサ子さんのように病気になるかもしれない。介護について、ここには家族のあり方、介護への気持ちがよく書かれていると思う。
もう1回家族について考えてみたいと思う。
(文/ののこ)