宮部みゆき「あかんべえ」

なんとも不思議な物語である。それは幽霊がでてくるから。でも普通の怪談話とは少し違う。

主人公おりんは12歳の時、病におかされ、死の淵をさまよう。三途の川のほとりで不思議な老人と出会い、そこにある、水を少しなめてしまう。それから病が癒えた彼女は不思議な力を得るようになる。両親の開いた料理屋に5人の幽霊の姿を見ることになる。その幽霊たちの力を借り、おりんの家でおこる騒動の真相を探るうちに恐ろしい、過去の事件が明るみにでてくる。

何故、おりんにはその幽霊達がみえるのか、そして、人は心の奥底に自分と同じ感情をもった幽霊をひきつけみることができるのか。

何故か怖い話だけれど、何故か優しさがあるのは、やはり、作者ならではの思いが入っているのではないだろうか。

(文/ののこ)

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