原田宗典「少年のオキテ」

この話は、2つの章からなっている。1章は少年のギモン編、2章は少年のオキテ編である。大人になった作者が小学生の時のギモンやオキテを大人のいまと対比して書かれている。

ギモン編は、子供の目をとおして、子供が普段思う何故についてのギモンについて書かれている。例を挙げれば、「大人は何故飲む?」「何故尊敬するのか」「何故食べなきゃならない   のか?」等々である。読んでいて、確かに子供の時作者と同じような疑問を持ったなと思った。

オキテ編においては、作者は冒頭に、「その昔、ぼくがまだ半ズボンを穿いてジャイアンツの野球帽をかぶって いた頃、少年たちの間には少年の掟というものがあったと思う。いや待った。やはり掟ではなくオキテと片仮名で表示したほうが似つかわしい。掟なんて難しい漢字は、おそらく少年たちに必要あるまい。『オキテ』と片仮名で表すのが一番適当であるように思える。」と書かれている。

オキテというのは法律や規則でもなく、子供の間、ここでは少年たちの間で通用する独自の約束ごとで、べつに破ったからどうのってことではないし、守ったから良い子というわけでもないらしい。たとえば、「男と男の約束を交わすべし」「とにかく探検すべし」「強い男に憧れるべし」とか。みんなが子供の時行ったことが懐かしい、タッチでかかれている。

あなたにとって、子供の時のギモン、オキテいくつあったかしら。

(文/ののこ)

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