篠田節子「夏の災厄」

それはインドネシアのブンギ島で始まり、島民の命をことごとく奪っていった。埼玉県昭川市で日本脳炎らしき病気が発生した。撲滅したはずの病気だった。患者は高熱を出し、光に弱く、そして甘い匂いを経験した。町はそれによってパニックに陥っていった。

市の保健センターの職員や夜間診療所につとめる医師と看護師たちは、原因を究明し感染を食い止めようとする。しかしこのウィルスの原因は意外なところから判明してくる。

いつ起こってもおかしくない環境問題、医療問題、行政問題が随所にちりばめられ、人々がいかにパニックに立ち向かうか、読んでいてまさにハラハラどきどき。一気に読み上げてしまった。

(文/ののこ)

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