木谷恭介「札幌源氏香殺人事件」

宮之原警部シリーズのひとつで今度は香についての謎解きである。

都内のホテルで食品香料の研究者の女性が殺される。彼女と会う約束をした近石朋恵が第一発見者となり、事件に巻き込まれる。現場に残された数字(6333)は何を語るのだろう。被害者の名前は向井紅美子、彼女の名を騙ってホテルを利用していた謎の女性。次々と起こる殺人。そして残された謎の記号、その記号は源氏香の意味を現すという。

香道に組香というのがあり、組香の中の代表的なものであり、五つの香を聞いて、聞くというのは嗅ぐと言う意味で、お香の銘を当てる。五つの香の組み合わせが52あって、それぞれに源氏物語の中の名前が付い ている。そのことをふまえて、この謎が広がっていく。

さて、朋恵の要望に応じて調査に乗り出した、宮之原警部は事件の真相を暴くことが出来るだろうか。謎解きの好きな方にはおすすめである。

(文/ののこ)

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