この本は短編から成り立っている。
主人公は全て渋谷猿楽町署刑事一条風太。そんな彼が不思議な女性井伏美潮と知り合う。彼女はリーディング能力を持っている。物にさわり、そこに残っている人の思念を読みとるという超能力の持ち主なのだ。
そんな彼女の力を借りて、風太は怪事件を解決していくわけなんだけれど、最初はそんな力を信じなかった彼も、いつしか信じるようになり、彼女を愛するようになってしまったらしい。この題名「製造迷夢」とは、心の迷いを現わした言葉だそうだが。
さて、次に二人の前にあらわれる相談者はどんな心の悩みを持っているのか。またまたどんでん返しが楽しみな作品といえるのではないだろうか。
(文/ののこ)