赤い左目を持ち、死者の魂を見ることの出来る大学生八雲シリーズ第4巻。
ある小学校に一つの噂があった。夜になるとどこからともなく「熱いよ。熱いよ」という子どもの声が聞こえ、耳をふさぎその場から立ち去らないと、炎に包まれた少年が現れ骨まで焼き尽くすという、学校の怪談話が。
25年前、生徒のいたずらから体育倉庫が火事になり、ひとりの少年が焼け死んだ。その学校へ偶然、教育実習でやってきた八雲の友だち晴香。彼女は不思議な事件に巻き込まれ、八雲に助けを求めることとなる。
逃亡犯が左手首だけ残し、骨まで完全に燃え尽きた状態で発見された。よほどの高温でないとそれは可能ではない。八雲に似た不思議な雰囲気をもつ少年が、「今度はあの人が死ぬよ」と予言をする。
今回は、超常現象「人体自然発火」の謎に八雲が挑戦する。変わり者だけど、心の奥底はやさしい八雲。私は益々ファンになりそう。
(文/ののこ)