身体障害者ということもあってか、ときどきは福祉っぽいことを言わなきゃいけないかなという思いになることもある。当事者自身からの発信は、時として大切なのではないかとも思う。
ただし人なので、すべて同じことを思っているわけではないし、上手く発信できない人もいる。
ところで、その福祉って何だろう。2つの視点から考えてみる。まず1つ目。小学生向けでは、よく(ふ)つうに(く)らせる(し)あわせ「普通に暮らせる幸せ」というようなことが言われる。
ときどき、障害者は優遇されている。けしからん。みたいに言う人もいる。ぼくは、障害者のスタート地点は社会的にマイナスの位置からのスタートだと思っている。けしからん。と言ってる人も、障害者になりたいとは思わないだろう。
もう1つ、福祉という漢字から考えてみる方法もある。「福」の左側は、しめすへん。神への供え物を載せる机の形だそうだ。そして右側は、酒樽を意味しているらしい。神様へお供え物をしているようなイメージだろうか。
「祉」も、しめすへんで、右側は止まる。「天のくだす福が身にとどまる」という意味らしい。つまり、福祉は「神様が止まる場所」というとても厳かな意味にもとれる。
障害者福祉に限らず、あらゆる分野でマイナスからのスタートをゼロに戻すのが、福祉の役割。みんなが、普通に暮らせる幸せを噛みしめることができたらいい。
【元記事:B-Search NEWS No.1347】