このエッセイのタイトルを決めるとき、なかなか思いつかなくて苦労した。ここに候補を挙げることはしないが、適当にいくつか書いて、その中で決まりかけていたものがあった。
それでいくかと思ったが、直前になってラボラトリーを思いついて、編集長に聞いてみたら、やっぱりこれでいきましょうとなった。
ラボラトリー、ラボとも略される。実験室みたいな意味だと思っている。ぼくは理数系ではないので、本当の科学実験みたいなものはよく分からないけれど、人生は、実験でできていると思ってもいいのかもしれない。
ぼくは新しいことをするとき、どうなるか分からないけど試しにやってみようということをよく思う。
試してみて、変えるところは変える。やめることはやめる。新しく始めたことは、駄目なら変えることができるし、やめることだってできる。
そう考えると、少しだけ楽に生きられるような気がする。
取り返しのつかないことや一世一代のバクチみたいなことも、ときには起こるのかもしれないけれど、基本は「試してみよう」という精神で生きていけるといいのではないだろうか。
人生を壮大な実験場にして。
【元記事:B-Search NEWS No.1314】