第66回「弔電」

人生で初めて弔電を送った。電報自体、送るのが初めてだった。どういう仕組みかいまいちよく分からないが、値段は値段だけあって速達郵便より速いし、今でも冠婚葬祭の場では使われているらしい。

スマホでネット注文したのだが、検索してみるとNTTの他にも業者はあった。初めてということもあり、比較している時間などないので電報と言えばNTTだろうということでそうさせてもらった。

翌朝にNTTから確認の電話があり、葬儀に参列した人から読まれたよという連絡があった。

今回は、突然の友人の死だった。筋ジストロフィーという難病だったが、心臓を患っていた。彼は、誰からも愛されるような人間ではなかったと思うが、ぼくとは時々会っていた。彼は、地元のアーティストを招いてミニライブをよく主催していた。

共通の知人は、春田君とは性格が真逆。とも言っていたが、ぼくは嫌いではなかったし仲が悪いわけでもなかった。いろんな情報や縁をつないでもらっていた。それが今後、ゼロになったと思うと悲しい。

ただ、本音で語り合ったとかはないと思うので、彼は本心ではどう思っていたかとか死生観はどんな感じだったのだろうと思う。

享年44。本当に残念でならない。ご冥福をお祈りいたします。

【元記事:B-Search NEWS No.1378】

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