第92回「記録する意味」

国立国会図書館が、特定の著名人のブログを保存収集することにしたと発表した。

選ばれたブログは下記の通りである。

http://warp.ndl.go.jp/contents/special/special201910.html

「現代社会における生の情報を記録する資料として、それらを保存し、後世に伝える意義は大きいと言えます。」との記載もある。

個人的な感想として、後世に伝える意義のあるブログもあるが、この人のブログがどうして?という疑問もある。

後世に伝えるという目的なら、もう少しマイノリティー側の人を選んでも良さそうな気もする。

ぼくも相当前からブログを開設している。URLやタイトルが何度変わったことやら……。

一番古い記事は2003年12月とある。

数年前から「記録」を意識していて、今は「春田康吏の資料室」と銘を打っている。

http://haruta.blog.jp/

アーカイブから辿ってみると、日記のように使っていた時期もある。それもありだと思うが、最近はそれも出来ないなと感じつつある。なぜなら人との関係において、大体の固有名詞は出せないから。固有名詞を出して記録するとなると、非公開にするしかない。

昔は、毎年手帳を買って書いていた。それが密かな楽しみ、自分だけの秘密基地に感じていたこともあったが、手を使って書くという行為が億劫になってしまって止めていた。ちょうどスマホやSNSが普及し始めた頃だと思う。

最近、Day oneというアプリを始めた。数年前にも少し使ってはいたが、再開した運びである。

このアプリ、パソコンからでもiOS端末やAndroid端末からでも日記データを同期させることができる。それなので、手元にある端末どれを使っても更新できるのがうれしい。

ただ、一番の懸念はサブスクリプションタイプの有料アプリといったところだろうか。

無料で何かこれに近いものや方法がないか探したこともあるが、Day oneが一番しっくりきている。

非公開で電子的に記録していると、手帳とかと違って検索性が高いという利点があるものの、「後世に伝える」という役割はほぼなされないだろう。消えるのは一瞬。Day one開発者が何か策を講じてくれればいいが。

「人間はすぐ忘れるから記録することに意味がある」と誰かが言っていた。

【元記事:B-Search NEWS No.1406】