Pluto

夜明けを

わがまま

私のいないところで勝手に

泣いていたりしないでね

私の知らないところで勝手に

堕ちていったりしないでね


私の知らないところで勝手に

私の気持ちを決めたりしないでね

あなたのいないところで勝手に



その可能性があいまいで儚いものだから

繰り返す

ずっと、ずっと

あなたは無意識に

魔法をかけるように

繰り返す

ずっと、ずっと



生きるしかないじゃん

与えられた生命なら

本当は生まれてきたくなかった

こんな世界、とか

しのごの言ってんじゃねぇよ


生きるしかないじゃん

もう、生まれてきたんなら

このまま投げ出すこともできるけど

それじゃあ永遠にもう

あなたに逢えなくなるというなら


責任とって

この手をとって

私を導いてよ

その宝の在り処

探している生の答

正しい真が眠る

その道

その瞬間まで




投げ出さないよこのまま

夢のなか

今見えているものが本当は皆幻で

この世の全てがもう

どうしようもないところまできている

本当に救いようもない

淡い虚の世界であったと気づいて

自滅する日が近いのだとしても

かつてあなたが創った

確かに望み愛した魂だ

自分ではじめたこと

ラッパを吹く

終わりの合図

それもまた自分でありたい

そこまでは

自分でやるから


笑うしかないじゃん

進むしかないのなら

どんなに過酷な目に遭い

この先も繰り返し

ノックアウトされる瞬間が来ても

いつかは前に進むしかないのなら

笑うしかないじゃん

まだ生きているなら

どんなに残酷な事実とこの先

繰り返し顔をつき合わせる事になっても

眼をあわせる

逸らしたりはしない

すくなくとも

見て見ぬ振りをして

あなたをひとり

無口なままで傷つけることはしない

それだけは約束する


まだ分からない

起こってもいない未来のことに

わざわざ過去から引っ張ってきた悪い絵を

重ねる必要はないよ

人は本当はよいものに

引っ張られ易いんだってさ

ホントかどうか知らないけれど

折角なら

信じてみたい

そっちの方がよっぽどいい現実

引き寄せられそうだ

そっちの方がよっぽどあなたに

手が届きそう

そんな気がする


天使だけじゃなく悪魔の私も見て

そうしたら私はあなたの神様になる



生きていくしかないよ

生まれてきたんだから

このまま投げ出すわけには行かない

失うものは何一つない

喪失すら獲得と気がついた

あなたなら

現実が夢であるとと同時に

夢もまた現実になり得る

その事実に気がついた

私なら

きっと最高のハッピーエンドにたどり着ける

そしていつの日か気がつく

その手に手放していたと思っていた

煌めく宝物が

実は常にそばにあり

あなたをあたため、守り、生かしていたこと

つまり

愛はあなたの中に既に流れていたのだということに

いつの日か

気がつくでしょう


もしも

その手を握る最後の一人をあなたが選べるのであれば


もしも

その目に映る最期のひとりは

どうか私であって

父について 日記

昨日は父の日だったそうな。

 

父の居ないわたしからすればあまり関わりのない一日で、MTVのテロップで知る始末であった。

 

生みの父、育ての父、どちらも上手くいかなかった。

よい思い出もあれば、その反対も当然残っていて、

どちらとも後味の悪い、すっきりしない別れ方をしたままだ。

 

ねぇ、下の荷物どうするの、いつになったら取りに来るの。ママに借りたお金はいつ返すの。

 

なるべくなら会いたくない、ただしっかり終わりにしてほしいのだ。貸し借り無しにしてほしいのだ。

ひとり頑張るママは最近子供の顔を出す頻度が多く、わたしはどうしたら良いのかわからない。今日もまた右腕に痣と傷が増えた。

 

はやく新しいひとが見つかればいいのに。

今度はひもじゃなく、それなりの収入をきちんと入れて、家事も動物も好きで、やさしくユーモアがあり、本当の意味での愛を試みて、母を大事に支え、守ってくれる、"お父さん"。

12:40

こんな風に終わっていくんだな

そう悟った

瞬間何もかもがきらめいて見えた


あんなに大嫌いだった風景も

苦手だったあなたの瞳も

いつだって消えてしまいたかった

そこに映る自分自身も

最後に何か伝えたいこと

その時間や相手を選べるなら

私は今誰を選ぶだろう

出来ることなら過去の自分

でもきっと

かつての私がそうであったように

きっと言葉の2割もわからないんだろうな



こんな風に終わっていくんだね

そう言って笑った

横に座るあなた

手を握る、感触

今までならきっと

離した瞬間、消えていた

でもいまは熱が張りついて

きっと洗っても簡単には消えてくれない


あんなに愛おしく思えた世界も

ふとした拍子に転じて

憎らしく映る瞬間がある

それは執着、疑念、怒り、失望

些細なさじ加減で如何様にも変わる

それでもその全てが可愛らしく思える

いま

戻りたいかは別として



あんなに大嫌いだった風景も

苦手だったあなたの瞳も

いつだって消えてしまいたかった

そこに映る自分自身も


今日でお別れ

さよなら、さよなら

もっと笑って去りたかった

でもいまはこれが精一杯


最後に何か伝えたいこと

その時間や相手を選べるなら

あなたは今誰を選ぶだろう

出来ることならほかの

あなた以外の誰かであって欲しい

でもきっと

かつてのあなたがそうであったように

きっと意味の2割も上手に

伝えることは難しいんだろうな



さよなら、さよなら

グッバイあなた

大好きだったよ

チャンスがあったらまた会おう


さよなら、さよなら

グッドラック、この世界

愛していたよ

元気でいてね


ラヴレター

愛しているの言い方すら下手くそだった私を

それでも愛おしそうに見つめていた

あなたの瞳がこわくて

 


愛が何かも分からなかった私は

ただ侵食されていくように感じる気持ち悪さから逃げるしかなく

ただひたすら逃げるしかなく

だってこのまま

もしも溺れてしまったら

このふやけたような、

どこかずっと

触られたくないような場所に手を当てられているような

 


そんなココロ、

私のなかにはないし、

はいってこないで、と

そう、ただひたすら

 


呼べばいまも来るかもしれない

でも今更こわいのだ

あなたの顔を見ること

あなたと改めて向き合うことが

記憶があれば充分と思っていた

だって思い出はその為にあるのだから

それなのにまったくちがった

少なくともいまは

全然足りない

思い出じゃたりない

今すぐ会いたくてはなしをしたくて

ただ瞳を合わせてそこにいることを

ふたりの距離

その空気に触れて

知りたかっただけ

 


あなたはただぽっかりあいたまま

お互いの生命だけが流れている

その場所に

足を踏み出して

私の様子を見ながら

対して私は後退

それを見て

泣きそうなほど優しい顔で微笑むあなたの

本当は泣いている瞳に馬鹿みたいに心が軋んで

そのまま

くるりと向きを変え

あなたに背をむけ

はしりさった

 


今でも馬鹿みたいに思う

もしもあの場所にまだ

あの日のあなたが立っていたなら

そこから動けなくて

立ち竦んだままでいたら

動けない理由が私にあったら

私は今の私は

上手くそこに辿り着いて

こっちだよ、と

あなたの腕を引くことができるだろうか

 


情けない顔で笑っているでしょう

これで大人の顔をしているの

オトナになんてなりたくない

本当はそんな役はほっぽりだして

いつでも子供の私に戻れる

そうできることも知っているのにね

 


自由なあなたが大好きでした

大人のくせにオトナになりきれず

それをわかったうえで、それでも

今日を生きようとする

私が毎度の不安に駆られるとき

無責任に

大丈夫だよ、と

笑って背中を叩いてくれる

その軽やかな力強さ

白く骨ばった手

上下する私にはない喉仏

そこから生まれるあなたの声

その全てが本当は

本当に心の底から大好きでした

 


もう伝わらない

それでもきっと届いていると信じてる

人間、生命

生者と死者

みんなどこかで繋がっている

だから呼べば応えるし

いつだってお前のところに

いっせーのーせ、で

ワープしていくよ

無理でしょと

ひとしきりお互いに笑った後

それでもやるよ

真面目に微笑み

そう言ってくれたのも

あなただったから

 


あなたが今日もどこかで生きている

それだけでもう私は充分力になる

一日一日

大切に日々を生きて生きましょう

丁寧に

いつだって今は永遠じゃない

それを初めに感じさせてくれた

あなたに

いつかまた逢えたとき

今度は親愛のハグを

叶えられるように

My wisteria

この黄金色の午、いまあなたは一体何処に居て、何をしているのでしょう。何を考え、何を想って、或いは次の一秒を、誰と共有するのでしょう。

吐くように泣く。その相手は貴方、居ない貴方。わたしがいつも見つけるのは、すべて貴方の過去。とうの昔に落ちた砂時計の一粒。その切なさと言ったら。その時だって、たしかにわたしは何処かに居て、貴方だって何処かで何かをしていた。貴方と同じ年に並ぶ、しかし当然ながら、貴方だって同じくらいの時間を食べている。過去に残る貴方の面影と心の中で比べてみてもやっぱり遠すぎて、それでお話をしてみても、やっぱりあなたは過去の貴方で、いまの貴方ではないのだ。その貴方なら、わたしはいくらだってさわれるし話もできるけど、でもわたしは泣いている。


わたしに価値はありますか
わたしを愛してくれますか
わたしを見つけて、くれますか。

見つけて、必ず

 

 

echo

泣いている私の横にそっと寄り添って
何をするでもなくただ黙って
居てくれる
見て居てくれる
そうして守ってくれている
悲しみの嵐に襲われた時
近くに居てください
ひとりの時も耳元では
見えないあなたの歌声が
いつでも呼んだら飛んできて
私の嘘でもいいんだ
話しかけるから 応えて
心のなか、夢のなか
思い出、瞼の裏
あなただけの音を

宙の星を数えて
今日はいくつ見つけられた
繋いでできる星座
はじめてシリウス
知ってしまった日のこと

眠れない夜には子守唄を歌ってください
ひとりで耐えねばならない
孤独の海にまた放り出されても
泡の音にあなたを見つけられたなら
たとえそれが幻だとしても
昏い其処から明るい場所へ
臆することなく上がっていける
言葉じゃ足りない想いをいくつも抱えて
名前のつけようもない感情をそのままに

キッチン

ひとを好きになれること
その相手があなただったこと
それをいまは誇らしく思うの
可笑しいかな、
可笑しいかもね
それでも、私には
涙がでるほど嬉しかったの

本当にこころが感じた時を
汚したくない
例えば真っさらな雪を
靴についた土が濁らすように
よりカラフルにと見栄えを狙い
着色したお菓子のように
嘘の美しさでコーティングしないで
例えば色を重ねるたびに
その絵の世界が豊かになるように
寝かせれば寝かせるほど
味が染み込むご飯のように
繰り返し繰り返し
反芻するの

悲しかったこと、辛かったこと
それが忘れたい類のものであったとして
ひとつのこらず、留めておきたい
貴方とのことなら
それがすべて

私とあなたで綴る
お手製のダイアリー
いつの日か
知らない誰かの目に触れて
何か新しいものが生まれたら
それはまた
きっと素敵なことだよね