詩や言葉の断片を残したいと思う時がたまに、時期によってはよくある。そうでなければ詩なんて書かないのであたりまえだけど。
で、そういう文学や芸術のテーマとして何を扱うか、みたいなことをちょっと端的に書いてみようと思った。
なかなか言語化しづらい部分だけれど、自分では書く前から「なるほどなぁ」とアイデアに対して勝手に納得する部分があったのでそれをひとまとまりの文章にしてみようという思い付きである。
例えばこんなことがある。
自分の部屋、もしくは家族団らんの部屋がある。
いつもはなんてことなく使っている。意識に上るわけでもない。
ただ、実はそれは彼の人生、少なくともその時点の生にとってとても重要な部屋であったりする。
例えば、親の転勤などで急な引っ越しが決まる。
色々と考えをめぐらせたあと、「あの部屋とも別れなければならない」ということに気付く。
下手をすると学校の知人や近所の人と別れるよりも胸に来ることがあるかもしれない。
実はそれだけその部屋を・空間を愛していたことに、人は意外と気付かなかったりする。
そして、引っ越しが終わって部屋との別れも終わる。
そして、たとえばその部屋がアパートの一室だったりして空間としては引っ越し後も残っていたとする。
そして数年後、何かの偶然か思い立ちでそこを一人で訪れる。
(少しだけ大人になった心を抱えているかもしれない)
玄関をあけてキッチンを素通りし、一番思い入れのあった自分の部屋に入る。
部屋の建具や間取りを懐かしさとともに振り返りながら、そこには昔のような温もりがないことに気付く。
それは温度とはまた別の温もりである。たとえヒーターのスイッチを入れてもそれは戻ってこない。
そして、引っ越しの時に感じたのとはまた別の種類の寂しさを抱えながら、彼は部屋を後にする。
半分詩のようになってしまったけれど、こういったことが詩を書く時のモチーフだったり原動力だったりするのである。
わかったようなわからないような話で申し訳ないが、今回はこれでおしまい。