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● 柴田よしき

窓際の死神(アンクー)(双葉社)

母親が入院して寂しい子供が、母からもらった千円のお小遣いで何を買おうか悩んでいて、ふと立ち寄った本屋で手に取った「日本むかし話」。見知らぬ謎の男から勧められて・・

恋愛や仕事それぞれがうまくいかず、死を願うようになった女性の前に現れた死神。死と向き合ったとき見えてくる生きるということの大切さ。

「おむすびころりん」などのお伽噺をモチーフにした大人のミステリー。ちょっとちがった童話が楽しめるかも。

(文/ののこ)

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「シーセッド・ヒーセッド」(実業之日本社)

主人公は花咲慎一郎、私設保育園「にこにこ園」の園長をしている。そしてもうひとつの顔は私立探偵。私立探偵といっても何でも屋みたいな仕事で、借金返済のために駆けずり回っている。

借金は園存続をかけてしたもので、担保は花咲自身の命。 そんな彼が巻き込まれていくストーカー事件、捨て子事件、大学教授のスキャンダル。それらの事件を解きほぐしていくうちに見えてくる真実。

「にこにこ園」は無事存続できるのだろうか。

(文/ののこ)

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「紫のアリス」(文春文庫)

この小説は「不思議の国のアリス」を伏線に書かれた小説である。所々に、ちりばめられた、アリスの話が意外な方向へこの物語を運んでいく。

不倫を精算し会社を退職した紗季が、夜の公園で男の死体とアリスに出てくるうさぎを見つける。そこから事件が始まる。それのことにからんで15年前の事件の謎解きも始まる。

人間の記憶とはなにか。記憶のあいまいさ。この話は紗季の記憶を通して、事件の解決を図っていく。そう、彼女の記憶の中にこの連続事件の始まりがあり、15年前の事件にもつながっていく。

この作者柴田よしきは多才な文才と幅広い作風と旺盛な筆力で知られた作家である。

さあ、あなたは、この小説の中でいくつのアリスの顔に出会えるだろうか。

(文/ののこ)

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「猫探偵・正太郎の冒険〈2〉 猫は聖夜に推理する」(光文社)

今まで猫や犬が出てきて事件を推理して、解決するというのはいろいろあった。たとえば赤川次郎の三毛猫ホームズシリーズなど。

今回は正太郎という名前の猫が、仲間の猫や犬たちと会話をしながら、そこに起きる事件を解決していく話だ。

人間はというと、一応出てくる。正太郎の飼い主、いやこの小説では同居人という立場で桜川ひとみというバツイチのミステリー作家。浅間寺竜之介という、正太郎の仲間の犬のサスケの飼い主なのだ。

この小説は猫の目をとおして、自分が住むマンションや町を舞台にあざやかに事件を解決し、仲間とのチームプレイで思わずほほえんでしまうくらい、面白い小説だと思う。

(文/ののこ)

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「Close to You」(文藝春秋)

主人公草薙雄大が社内闘争に負け、会社を退職するところから始まる。

彼は妻と二人暮らし、子供はいない。妻の鮎美もまた働いている、個々自立型夫婦であった。 そんな彼は失業をし、酒におぼれた。妻の鮎美は彼に主夫になるように頼んだ。そんな彼がマンションの住人である、主婦達の事件に巻き込まれていく。そして、常日ごろ馬鹿にしてきた専業主婦に色々助けられ、解決していく。

そのことを通して、雄大は人として大きく成長していき、主夫としての自覚を持ち、 自分の足下に何があるのかを知っていくのである。お互いの思い違い、誤解が事件を産んでいく。それは私たちが生活していくこの空間の世界にも日頃あることだと思う。

(文/ののこ)

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