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● 内田康夫

「歌わない笛」(徳間文庫)

浅見光彦シリーズの一つ。今回は音楽大学にかかわる殺人事件だ。目次の各章が歌の題名になっている。たとえば第1章がわたしの城下町、第2章は還らざる河という具合だ。

ヴァイオリニスト本沢千恵子は津山にある音大からコンサートの依頼を受けた。そこから事件が次々と起こるのある。

倉敷市の山林で女性の服毒死体が発見される。それもフルートを手にしたままの。その5日後、この女性の婚約者が溺死体で発見され、警察では心中事件と結論づけられた。二人ともこの音大にかかわっている。

しかし、女性のフルートの持ち方に疑問を覚えた千恵子は、これって、殺人じゃないかと思い、以前世話になった、旧知の浅見光彦に事件の解明を依頼する。そこには音大の移転が絡んだ思惑が静かに進行していたのだ。

さあ、貴方もこの恐ろしく、そしてもの悲しい調べにのって光彦と共に事件を解決しようじゃない。

(文/ののこ)

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「中央構造帯」(講談社)

浅見光彦シリーズの一つである。

話は終戦直後の悲惨な事件からは始まる。過酷な労働で虐げられていた兵士達、上官の裏切りにより兵士達は反乱を起こした。それから何十年か過ぎ、康助という少年の目を通して、祖父とのこと、両親と祖母の飛行機事故のことが話の後を引き継いでいく。

やがて少年は大人になり、銀行員となる。そこには将門の椅子というものがあって、将門の首塚にお尻おむけると祟りがあると言う言い伝えがある。将門、そう平将門のことである。次々と起こる将門に関係する場所での殺人事件、やがて康助も巻き込まれていく。そこには若き日の祖父や仲間たちが次々と事件の渦中に巻き込まれていく。あの終戦直後の悲惨な思い出を引きずって。

この小説には銀行破綻、破綻からの銀行員の立ち上がり、銀行の裏切りが書かれている。まるであの事件のように。ひょんな事から事件にかかわった光彦がどのように解決していくかが見 物である。本当に将門の祟りというのはあるのだろうか。

(文/ののこ)

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「パソコン探偵の名推理」(集英社)

一体この小説は誰が主人公なんだって言いたくなるくらいユニークだ。

ここに一人の男と一台のパソコンがある。男の名は鴨田英作、探偵事務所を開いている。そしてパソコンには名前もしっかり付いている。その名はゼニガタ。

パソコン、パソコンといってもあなどるなかれ。ただのパソコンじゃない。東大ロボット高下区研究所のホープ・糸川、シャープの若き頭脳といわれる安田、ソニーの音声力学の天才江崎、警察庁科学捜査研究所の本多などなどがよってたかって、おもしろ半分に作り上げたオバケパソコンなのだ。

彼ら天才集団と女性に弱い凡人鴨田は、名門高校の同級生で、この学校になぜ凡人いや、学園開校以来の劣等生が知り合ったかというとハテナクラブがきっかけなのだ。このゼニガタは最高の頭脳で、探偵事務所に依頼される事件を鴨田とけんかしながら、解決をしていく。

また学園時代のアイドル藤岡由美が事件に巻き込まれ、やがて、鴨田に誘われ、この探偵事務所に入社をするわけだが、なんとこのゼニガタがこともあろうに彼女に恋をしてしまう。

さて、この一人と一台は今度はどんな事件を解決してくれるだろうか。楽しみな作品である。

(文/ののこ)

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「十三の冥府」(実業之日本社)

浅見光彦シリーズの一つ。

「なにわより じゅうさんまいり じゅうさんり もらいにのぼる  ちえもさまざま」

この謎の歌を海猫で有名な八戸蕪島でお遍路の女性とすれ違った神尾容子はふと、奇妙な記憶を呼び起こされた。ところが数日後そのお遍路の女性が殺される。場所は新郷村、ピラミッドにつながる道で。

ちょうどそのころ、光彦は古文書の真贋についての取材のために東北に向かっていた。

このピラミッド殺人事件のほかに、不可解な殺人事件がおこる。これも古文書に関係があるのか。アキハバキの神のたたりだと恐れおののく人たち。青森の地に謎めいた伝説、信仰。そしてこの歌がお遍路の女性と容子を結びつける何かがあるのだろうか。

光彦はこの不可解な事件をどう解決するかお手並み拝見といきたい。

(文/ののこ)

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「長崎殺人事件」(角川文庫)

浅見光彦シリーズの一つ。今回は作家である内田康夫氏が登場する。

内田氏の元に一通の光彦宛の手紙が届く。差出人は長崎在住の松波春香という女性だった。殺人事件の容疑者にされた父を助けてくれと言う依頼が書かれていたのである。

そのことを光彦に伝えようとしたところ、偶然にも彼は長崎に出かけているという。グラバー邸でおきた不可解な2つの殺人事件の解決に兄から依頼をされて行っているらしい。

この2つの殺人事件と、そして春香の父が巻き込まれた事件が、意外な方向で1つに結びついてくる。

さて光彦は春香の父を救い出し、この3つの事件を解決することができるだろうか。

(文/ののこ)

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「蜃気楼」(講談社)

浅見光彦シリーズの一つである。

一人の老人が酒呑童子で有名な大江山こと大江町の「鬼の博物館」に現れ、帰る間際、一人の女性に行き会う。光彦の家で富山の薬売りの話が話題になる。そして偶然にも富山の置き薬についての取材をするように依頼を受けることになった。

四月、彼は蜃気楼で有名な魚津市にいた。そこで祖父を亡くした博物館勤めの女性と知り合う。彼女の祖父も薬売りの一人だった。

彼の死の謎を追ううちにやがて第2,第3の殺人事件が起こる。彼の足取りを祖父の孫と追ううちに虚飾に満ちた世界が現れてくる。

老人は何故殺されなければならなかったのか。さああなたも考えてみようじゃないか。

(文/ののこ)

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