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● 大石英司

「神はサイコロを振らない」(中央公論新社)

壁のような分厚い雲が発生し、その中にYSの機体が消えていったのだ。

そして10年後、その消えたYS(報和航空402便)が行方不明になったそのままの姿で羽田空港に帰還した。それも乗員乗客はそのまま時が止まったように。

彼らにとってはほんの数日しかたっていないのに、帰ってきた世界は10年の月日がたち、彼らの家族や恋人たち、仲間たちの生活は変わっていた。

再会をよろこぶ彼らと家族たち。でも彼らは3日後にはまた元の世界に帰らなければならなかった。その3日間彼らは真実を知り、家族の暖かさに触れていく。

この本の題名「神はサイコロを振らない」はアインシュタインが「偶然」を要素とする当時の量子力学を批判して述べた言葉だとこの本には書かれている。

神様が本当の愛について教えたくて手をさしのべてくれたのか、ほんの気まぐれだったのか、多分、私にも誰にも分からないと思う。

もし10年後に行けたらどうなっているだろうか。 それとも10年前に戻って亡くなった家族に会ってこようか。

(文/ののこ)

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